研究概要 |
平成14年度の実施計画に従い、以下のように研究を進展させた。 【マウスモデル】 線維症モデルマウスにおける線維化指標であるハイドロキシプロリンの測定、および各マウスからのDNAの抽出をマウス約280匹について終了した。その第2世代F2から25匹(50meiosis、13匹の高感受性群、12匹の低感受性群)を用いてPerkin-Elmer社のgene scan programを用いて約7.4cMの間隔で20本の染色体(第1〜19染色体+X染色体)についてgenom-wide screeningを終了した。その結果、染色体の3、4、5、6、10、11、14、15番にsuggestive linkageを示唆するlocusが検出された。現在これらのlocusを全部のF2マウスを用いてlinkageを調べつつある。さらに今後、関連が示唆されたlocusで細かに検討する予定である。 【珪肺症患者の検討】 今年度は、自然免疫に関与するとされるmannose binding lectin(MBL)の多型を珪肺症患者で調べた。粒状影群(94名)、大陰影を呈したPMF群(48名)、非暴露コントロール群(84名)に分けて、日本人で唯一見られる遺伝子多型コドン54を検討した。その結果それぞれのmutant alleleの頻度は、26.8,35.5,17.4%であり、3群間に有意差を認めた。PMFの形成にMBLの関与が示唆される結果を得た。今後は、マウスモデルで検出された遺伝子について検討する予定である。
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