研究課題/領域番号 |
13470131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
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研究分担者 |
小野寺 宏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20214207)
藤原 一男 東北大学, 医学部附属病院, 助教授 (70280873)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 脱髄疾患 / 神経免疫学 / 神経難病 / 多発性硬化症 / 視神経脊髄型MS / オリゴクローナルバンド / Th1 / Th2バランス |
研究概要 |
アジアに比較的多い視神経脊髄型多発性硬化症(OSMS)と欧米に多い通常型MS(CMS)の分子免疫病態を解析した。 OSMSとCMSの比較解析1)オリゴクローナルバンド(OB):等電点電気泳動により解析した。CMSでは60.7%、OSMSでは10%で陽性で有意差がみられた。2)T細胞受容体:両病型においてCDR3 spectratypingにより増幅するT細胞クローンを解析した。末梢血ではVβ5.2が高頻度に検出され、髄液では全例でVβ5.2が検出されたが、OSMSに特異なVβはなかった。Vβ5.2の増幅症例ではCDR3領域の同一のアミノ酸配列が高頻度に検出され、病態への関与が示唆された。3)Th1/Th2バランス:CMS剖検脳で種々のケモカイン受容体及びリガンドのmRNAを測定し、脱髄病巣ではTh1優位であった。一方再発時の髄液CD4陽性細胞のCCR5/CCR3比はCMSに比べOSMSで有意に低下しており、Th1反応の相違が示唆された。 CMSの病態解析4)NKT細胞はMS病態を抑制するが、末梢血リンパ球にα-GalCerを添加したが、約半数はNKT細胞の明確な増殖がなかった。5)免疫記憶、抗原提示に関連するCCR7陽性細胞は脱髄病巣周囲に散在し、リガンドであるSLCは同部位の血管壁に発現しており、病巣への細胞遊走に関与していることが示唆された。6)ファージディスプレー法により髄液lgGのエピトープ解析を行った。各症例で複数のファージに共通なアミノ酸配列がみられ、ヘルペス属ウイルスに相同な配列が高頻度に検出されたが、その配列は症例毎に異なった。検出されたファージではOBは吸着されず、OBの各バンドは複数のlgGで構成されると考えられた。 以上の如くOSMSはOB陰性でTh1反応がCMSと異なること、CMSのリンパ球の特性や髄液lgGの結合ペプチドを明らかにした。
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