研究課題/領域番号 |
13470132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
葛原 茂樹 三重大学, 医学部, 教授 (70111383)
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研究分担者 |
成田 有吾 三重大学, 医学部, 助教授 (50242954)
小久保 康昌 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60263000)
佐々木 良元 三重大学, 医学部, 助手 (60303723)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン痴呆複合 / タウオパチー / 神経原線維変化 / 紀伊半島 / グアム島 |
研究概要 |
1.紀伊半島のALS/PDCの臨床病型と疾患概念の確立 剖検例の研究により、穂原地区の紀伊ALSがアルツハイマー神経原線維変化(NFT)多発を伴うグアムのALSと同じであることを確認した。また「痴呆を伴う非特異的パーキンソニズム」がグアムのPDCと同じ疾患であることを初めて明らかにし、紀伊ALS/PDCの疾患概念を確立した。臨床症状だけでなく、脳画像検査、および電気生理学的所見を明らかにした。 2.遺伝様式の確定と遺伝子解析 穂原地区の発症者の70%以上に家族歴が認められることから、ALS/PDCが遺伝疾患であるという仮説を立てて、家系図作成と整理、発症者と非発症者から同意を得ての遺伝子収集を行った。遺伝子解析は東大、新潟大との共同研究として、新潟大脳研・生命科学リソース研究センターでゲノムワイドに原因遺伝子を解析中である。 3.ALS/PDC患者脳に蓄積する各種封入体の細胞生物学的検討 患者脳に大量に出現するNFTを構成するタウ蛋白は、生の剖検脳から抽出されたタウ蛋白のアイソフォームの解析によって、3リピートと4リピートのアイソフォームがほぼ等しく出現するアルツハイマー病と同じパターンを示すことが明らかになった。また、βアミロイドはアルツハイマー病とは対照的に蓄積していなかった。タウ蛋白のリン酸化部位の特徴を見出すために、異なったリン酸化部位ごとの抗タウ蛋白抗体を用いて、固定組織の免疫染色と、生脳のウェスターンを実施したが、いずれの抗体とも反応が認められ、タウ蛋白における疾患特異性は確認できなかった。また、紀伊ALS/PDCのhallmarkであるNFTが、疾患特異的なものか、紀伊半島住民の一般的特徴か(グアムのチャモロ人では、非罹者であっても若年期からNFTが多発する)について、非神経疾患患者脳を検索し、疾患特異的であることを明らかにした。
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