研究課題/領域番号 |
13470133
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
下濱 俊 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60235687)
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研究分担者 |
北村 佳久 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60195295)
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キーワード | アルツハイマー病 / ミクログリア / c. elegaus / heat-shock protein / high-mobility group protein-1 / Aβ / preseniliu-1 / 酸化ストレス |
研究概要 |
heat-shock potein(HSP)が分子シャペロンとして働くのみならず、単球へ作用し、活性化しサイトカインを産生することが報告されたのでミクログリアへの作用について検討した。その結果、細胞外HSP70は、Toll-like receptor4を介したnuclear factor-κB、p38 mitogen-activated protein kinase経路の活性化によりミクログリアからのサイトカインの産生及びAβ1-42の取り込み・分解を促進している可能性が示唆された。その後、確立した脳ミクログリアの純粋培養系ならびにAβファゴサイトーシス(貪食・除去)アッセイ系を利用して、グリア細胞による神経保護作用の解析を進めた。その結果、High mobility group protein-1 (HMG1)がAD脳内で増加しており、老人斑のAβと共存していること、ミクログリアの純粋培養系においてミクログリアによるAβ1-42のファゴサイトーシスを阻害すること、試験管内ではこの物質は単量体AβからAβオリゴマー形成を促進することを見出した。このことは、この阻害物質がAβオリゴマーの形成を除去し、単量体Aβの分解除去を促進しうることを意味する。ADに対する新たな治療戦略と考えている。 Presenilin(PS)と酸化ストレス、細胞死との関連について、Caenorhabditis elegas(C. elegans)が持つPS1相同遺伝子、sel-l2に着目しsel-12変異株の酸化ストレスに対する感受性や胚で見られる細胞死について検討した。その結果、PS1が酸化ストレスおよびミトコンドリア機能異常下でアポトーシス誘導に関与していることが示唆された。
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