研究課題/領域番号 |
13470135
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
東儀 英夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (90155490)
|
研究分担者 |
山形 宗久 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00295974)
長根 百合子 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10306003)
槍沢 公明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (00244913)
高橋 智 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50216719)
阿部 隆志 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (30202667)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | aging / α7nAchR / cDNA array / cell cycle / extracellular-signal-regulated kinase / human brain / neurite outgrowth / PC12 |
研究概要 |
脳病変の無い高齢者脳(80歳-90歳)と若年者脳(23歳-42歳)の前頭葉皮質,白質両者についてcDNAアレイ解析を行い、ニューロンあるいは神経回路の老化を反映する変化の抽出を試みた。高齢者脳新皮質ニューロンでは神経特異的cyclin dependent kinases (Cdks)、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)の減少と、同時に神経突起伸長性・シナプス形成性の低下が生じており、ニューロンはこれらに伴う脆弱性亢進へのcounter actionも行っていると推察された。次に、α7nAChRを過剰発現するPC12細胞を作成、細胞形質の変化を観察した。α7nAChR過剰発現PC12細胞はリガンド非存在下でコントロールに比し、高い遊走性、接着性、神経突起伸長性を示し、かつ増殖能を減じた。細胞周期分布を検討したところ、コントロールに比しG2期の細胞比率が増加していた。さらにα7nAChR発現増加に伴い生じる神経突起伸長亢進が分化誘導性のシグナルを介するか否かを検討した.α7nAChR遺伝子導入後のPC12細胞では、α7蛋白発現とほぼ同時にextracellular-signal-regulated kinase(ERK)の著しいリン酸化が生じ持続した。またERKリン酸化に引き続き,神経分化関連性接着分子であるN-cadherinの発現が亢進した。 α7nAChRの発現調節とERKシグナルはリンクしながら細胞骨格構造や細胞周期調節機構に作用する.α7nAChRの増加はシナプス形成促進性に作用する可能性がある。同時に、加齢に伴うα7nAChR減少は神経回路形成性、可塑性を低下させる可能性も考えられる。
|