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2003 年度 実績報告書

遺伝子異常に起因する心不全の病態解明と治療法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13470142
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

木村 彰方  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)

キーワード肥大型心筋症 / 拡張型心筋症 / ストレッチ反応 / Cypher変異 / PKC / カルサルチン / Tcap / カベオリン
研究概要

特発性心筋症の分子病因および病態形成機構を解明する目的で以下の研究を行った。肥大型心筋症については、新規原因遺伝子としてカベオリン3変異を同定した。また、心筋症の原因となるカベオリン3変異の機能変化が肢帯型筋ジストロフィーの場合よりも軽度であることを解明した。このことは、同一遺伝子の変異であっても機能変化の程度によって心筋症となるか筋ジストロフィーとなるかが決定されることを示唆する。また、肥大型心筋症家系に見出したTcap変異はタイチン、カルサルチンへの結合親和性が増強することを明らかにした。これに対して、拡張型心筋症患者に見出されたTcap変異では、タイチン、カルサルチン、さらにMLPへの結合親和性が低下すること見出した。このことは、同一遺伝子の変異でも、機能変化の方向性が異なることで、全く違った心筋症病態を呈することを示す。さらに、新規の拡張型心筋症原因遺伝子としてCypher遺伝子変異を同定し、これによってLIMドメイン間の結合性が低下すると同時に、PKC結合性が増強することを明らかにした。これらのことは、心筋のストレッチ反応の低下が拡張型心筋症の病態形成に関連すること、またストレッチ反応にはカルサルチンを介したカルシニューリン(脱リン酸化酵素)と、Cypherを介したPKC(リン酸化酵素)のZ帯内分布変化が関与すること、ひいてはストレッチ反応にZ帯タンパクのリン酸化制御が関わることを強く示唆する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Aizawa Y, et al.: "A novel mutation in FKBP12.6 binding region of the human cardiacryanodine receptor gene (R2401H) in Japanese patient with catecholaminergic polymorphic ventricular tachycadia."Int J Cardiol. (in press).

  • [文献書誌] Hayashi T, et al.: "Identification and functional analysis of a caveolon-3 mutation associated with familial hypertrophic cardiomyopathy."Biochem.Biophys.Res.Commun. 313. 178-184 (2004)

  • [文献書誌] Arimura T, et al.: "A Cypher/ZASP mutation associated with dilated cardiomyopathy alters the binding affinity to protein kinase C."J.Biol.Chem.. 279. 6746-6752 (2004)

  • [文献書誌] Ogimoto A, et al.: "17-year follow-up study of a patient with obstructive hypertrophic cardiomyopathy with a deletion mutation in the cardiac myosin binding protein C gene."Circ J.. 68. 174-177 (2004)

  • [文献書誌] Kimura A, et al.: "In Cardiomyopathies and Heart Failure ; Biomolecular, Infectious and Immune Mechanisms (ed. Matsumori A)"klumer Academic Publishers, Boston. 415-428 (2003)

  • [文献書誌] Kimura A, et al.: "In Frontiers in Cardiovascular Health (eds. Dhalla NS, Chockalingam A, Berkovitz HI, Singal PK)"Klumer Academic Publishers, Boston. 195-206 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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