研究課題/領域番号 |
13470169
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北島 康雄 岐阜大学, 医学部, 教授 (70111797)
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研究分担者 |
市橋 直樹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (50283304)
市来 善郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30223093)
高木 肇 岐阜大学, 医学部, 助教授 (70226752)
和泉 智子 岐阜大学, 医学部, 助手 (70324291)
佐藤 美貴 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (80324309)
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キーワード | ケラチノサイト / シグナル / 自己免疫性水疱症 / デスモソーム / ヘミデスモソーム / 尋常性天疱瘡 / デスモグレイン / 類天疱瘡 |
研究概要 |
本研究はdesmosome構成分子の構造と機能の制御機構を、その障害に起因する水疱症である天疱瘡の病態解明と相補的に、とくに分子会合・分散機序とシグナル伝達の観点から分子細胞生物学的に解明しようとするものである。これまでに尋常性天疱瘡抗体が抗原であるdesmoglein3に結合後、desmoglein3のリン酸化が惹起され、ついでdesmoglein3欠損desmosomeの形成過程を主に解析、さらに、抗体結合後細胞内カルシウムの一過性上昇とプロテインキナーゼCの活性化とそれにつながるプラスミノーゲンアクチベータの活性化とそのレセプターの発現を明らかにしてきた。今年度は、抗体結合後誘導されるプラスミノーゲンアクチベータレセプターの発現が水疱形成性に関与することをレセプターの各種阻害剤を用いて示した(Clin Experiment Dermatol 26:289-295,2001).これとは別に自己抗体の結合が低-高カルシウムスイッチ誘導デスモソーム形成を阻害しないことから、抗体が分子立体構造阻害的にデスモソーム結合を阻害しないことを報告した(J Invest Dermatol 117:406,2001)。一方、desmoglein3-ELISAを用いて、自己抗体の抗体価の推移と治療薬による臨床効果の経過を詳細に観察し、尋常性天疱瘡において内服ステロイド治療は抗体が正常化しなくても水疱形成を阻止することを示した(論文投稿中)。以上、我々のこれまでの研究成果は、細胞間接着分子の接着制御と天疱瘡の水疱形成機序に関する新しい視点を開き、海外でも追試され、さらに展開されつつある。今後はdesmoglein、desmocollin,desmoplakin,p120cateninの分子機能と集合分散機序およびその細胞骨格との制御シグナル伝達が重要であると推察した。
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