研究分担者 |
市橋 直樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (50283304)
市來 善郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30223093)
高木 肇 岐阜大学, 医学部, 助教授 (70226752)
江崎 智香子 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (70283306)
永井 美貴 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (80324309)
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研究概要 |
本研究はdesmosome構成分子の構造と機能の制御機構を、その障害に起因する水疱症である天疱瘡の病態解明と相補的に、とくに分子会合・分散機序とシグナル伝達の観点から分子細胞生物学的に解明しようとするものである。これまでに尋常性天疱瘡抗体が抗原であるdesmoglein 3に結合後、desmoglein 3のリン酸化が惹起され、ついでdesmoglein 3欠損desmosomeの形成過程を主に解析、さらに、抗体結合後細胞内カルシウムの一過性上昇とprotein kinase Cの活性化とそれにつながるplasminogen activatorの活性化とそのレセプターの発現を明らかにしてきた。昨年度は、抗体結合後誘導されるplasminogen activator receptorの発現が水疱形成性に関与することをレセプターの各種阻害剤を用いて示した(Clin Experiment Dermatol 26:289-295,2001)こと、抗体が分子立体構造阻害的にdesmosome結合を阻害しない(J Invest Dermatol 117:406,2001)ことを報告した。本年度は、desmoglein 3-ELISAを用いて、自己抗体の抗体価の推移と治療薬による臨床効果の経過を詳細に観察し、尋常性天疱瘡において内服ステロイド治療は抗体が正常化しなくても水疱形成を阻止することを示した(第53回日皮会中部支部学会2002年9月、第23回水疱症研究会2002年10月発表)。さらに抗体結合後のdesmoglein、desmocollin, desmoplakin, P120cateninの分子機能と集合分散機序についての一部を発表した(Clin Exp Dermatol 27:684-690,2002, Arch Dermatol Res in press).およびその細胞骨格との関連性から先天性表皮水疱症のケラチン変異を検索し新しい変異と臨床症状の関連性を研究した(J Dermatol 29:136-145,2002, J Invest Dermatol投稿中)
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