研究課題/領域番号 |
13470175
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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研究分担者 |
早川 順 杏林大学, 医学部, 助手 (30255393)
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
寺木 祐一 杏林大学, 医学部, 講師 (10188667)
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キーワード | innate immune cells / 表面内T細胞 / IFN-γ / CD69 / fucosyltransferase VII / CLA |
研究概要 |
Innate immune cellとしての表皮内T細胞の機能を明らかにするため、固定薬疹病変部の表皮内T細胞に関して以下の検討を行った。 1.固定薬疹病変部表皮からT細胞を分離し、それをin vitroで抗原刺激することによるCD69の発現、サイトカインの産生について検討した。コントロールとして同一患者末梢血から分離したinnate immune cell(γδ,NK細胞)とacquired immune cellを用いた。末梢血中のinnate immune cellは一般にacquired immune cellと比べ早期にCD69を発現し、サイトカイン産生も早くなるが、表皮内T細胞は末梢血中のinnate immune cellに近いタイプの早期の反応を呈した。 2.表皮内T細胞が直接薬物に対して反応しIFN-γmRNAを産生するかを明らかにするため、病変部皮膚をorgan cultureし原因薬剤を添加し、どのpopulationにIFN-γmRNAがどの位の時間経過で発現してくるかをin situ RT-PCRにより検討した。原因薬剤添加1時間後に早くも病変部表皮内T細胞にはIFN-γmRNAが発現してきた。このような早い時間でのIFN-γmRNAの発現は、これまで全く認められないものであった。 3.上記organ cultureにおいて、薬剤添加後IFN-γを産生するcellにおけるfucosyltransferase VII(Fuc-TVII)の発現を経時的に検討した。Fuc-TVIIは早期から何割かの細胞に恒常的に発現していたが、薬剤添加後により著明に発現が増強し、それに遅れてCLAの発現が認められた。 以上の結果より、表皮内T細胞は極めてinnate immune cellに似た特性を有していることが明らかになった。
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