研究課題/領域番号 |
13470175
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
塩原 哲夫 杏林大学, 医学部, 教授 (10118953)
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研究分担者 |
早川 順 杏林大学, 医学部, 助手 (30255393)
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
寺木 祐一 杏林大学, 医学部, 講師 (10188667)
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キーワード | innate immunity / 固定薬疹 / 表皮内T細胞 / NK細胞 / IL-15 / granzyme B / perforin / requlatory T細胞 |
研究概要 |
固定薬疹表皮内に常在する表皮内T細胞のinnate immune cellとしての役割を、前年度に引き続き解析した。 1.表皮内T細胞の多くはCD8^+CD45RA^+CD11a^+CD27^-CD28^-であり、NKG2D,KIRなどのNK receptorを発現していた。CD3/TCR-αβを介した活性化により、NKG2D,CD57などの発現が亢進し、NK細胞と類似のphenotypeにシフトすることが明らかになった。 2.固定薬疹の病変部のケラチノサイトはIL-15を恒常的に発現しており、それによりCD122(IL-2/15Rβ)を発現する表皮内T細胞は、抗原刺激に伴うactivation-induced cell deathから逃れ、局所で生存し続けることが分かった。 3.表皮内T細胞はgrazyme Bやperforinを有し、活性化に伴いそれらを放出することにより、まわりのケラチノサイトを速やかに傷害することが明らかになった。 4.これらの表皮内T細胞の活性化は、CD4^+CD25^+ regulatory T細胞の局所への遊走により阻害されるが、それはCD4^+CD25^+T細胞の産生するIL-10により担われていることが明らかとなった。Toxic epidermal necrolysisにおける皮膚傷害においては、CD8^+表皮内T細胞の過度の活性化を防ぐCD4^+CD25^+T細胞の表皮への遊走が見られないため、表皮の著明な傷害を生ずることが明らかになった。
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