研究課題/領域番号 |
13470191
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 講師 (90227215)
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研究分担者 |
寒川 光治 関西医科大学, 医学部, 助手 (10154684)
奥田 良和 関西医科大学, 医学部, 助手 (90252866)
澤田 敏 関西医科大学, 医学部, 教授 (80121937)
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キーワード | インターベンショナルラジオロジー / 気管 / メタリックステント / 高周波 / 誘導加温 / 温熱療法 |
研究概要 |
エクスパンダブル・メタリックステント(メタリックステント)の留置は悪性腫瘍に起因する管腔臓器の閉塞性病変の解除に有効とされ、消化管、気道の悪性狭窄性病変に広く応用されている。しかしながら、メタリックステント自体は狭窄された管腔臓器を物理的に拡張し、内腔の確保を行うのみで、時間の経過とともに腫瘍は局所的に内腔へ(tumor ingrowth)発育し、さらに遠位端や近位端への腫瘍発育(tumor overgrowth)によって結果的に局所は再閉塞を余儀なくされる。その際、メタリックステントに体外から加えられた高周波(誘導加温)によって非接触的に熱を発生させ、その熱により抗腫瘍効果を付加する実験を施行した。 温熱効果を付加し得る新しいメタリックステントの開発> ワイヤー径0.013mmのステンレススチールワイヤー(SUS:304)を用いて、長さ:2.5cm、10ベントのGianturco型エクスパンダブルメタリックステントを作成した。ついで、17cm15cm20cm筋肉等価ファントムに径1.0cm円筒状の穴を作成し、模擬気管とした。この模擬気管内に前述のメタリックステントを挿入し、ファントム外から誘導加温を施行した。その際、ステントのレッグに近接した中央部に熱伝対温度計を設置し、継続的に誘電加温中の温度を測定した。その結果、温度は約30秒後に25℃より38℃に上昇し、2分後には43℃、10分後には55℃にまで上昇した。これらの結果より、誘電加温開始より2分後より治療可能温度に達することが判明した。今後はこれらの結果をもとに家兎の気管にVX2腫瘍を作成し、前述のステントを留置した後、誘導加温を施行し、抗腫瘍効果を検討する予定である。
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