研究課題/領域番号 |
13470202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中尾 眞二 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70217660)
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研究分担者 |
西村 泰治 熊本大学, 医学部・免疫識別学, 教授 (10156119)
高見 昭良 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80324078)
中条 達也 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (00303298)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 再生不良性貧血 / CD4陽性T細胞 / CLIP / SEREX / PNH |
研究概要 |
再生不良性貧血の免疫病態に密接に関与するCD4陽性T細胞クローンZN1のエピトープを同定するため、Herpesvirus saimiri感染により不死化したZN1の標的細胞をスクリーニングしたところ、造血因子の存在下で1週間培養した自己骨髄単核細胞が、ZN1の有意な増殖を促すことが示された。この患者が持つHLAクラスII遺伝子のうち、どの分子が抗原提示に関わっているかを決定するため、ZN1にX線照射した培養自己骨髄単核細胞を加える際に、抗HLA-DR抗体、抗HLA-DQ抗体、または抗HLA-DR2抗体を加えたところ、抗DR抗体または抗DR2抗体を加えた時にのみNT1の増殖反応が抑制された。そこで、CLIP置換型Ii鎖遺伝子発現ベクターに由来するペプチドをHLA-DR2に提示させるため、COS-7細胞にDR2β鎖プラスミドとDR2α鎖プラスミドをトランスフェクトしたところ、抗DR2抗体で認識されるDR2分子の発現が確認された。現在、ペプチドライブラリーをこのCOS7トランスフェクタントに導入し、NT1によるスクリーニングを行っている。一方,同じ患者の自己抗体によって認識される造血幹細胞上の自己抗原をSEREX法によってスクリーニングしたところ、αグロビンペプチド(αグロビン^<1-101>)が同定された。このペプチドとGSTとのfusion蛋白に対する抗体は再生不良性貧血患者25例中21例に検出された。このペプチドにより刺激された患者末梢血単核細胞中には、αグロビン^<1-11>に特異的なCD8陽性T細胞が0.55%含まれていた。さらに、この培養T細胞は自己の造血前駆細胞由来コロニーを、CFU-GMで対照の43%、BFU-Eコロニーで50%に減少させた。以上の所見から、αグロビンは再生不良性貧血における自己抗原の一つであると考えられた。
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