研究概要 |
WT1を発現しているK562白血病細胞をWT1アンチセンスオリゴマーで処理すると,G2/Mチェックポイントで,cell cycleがblockされることから,WT1はcell cycleのG2/Mチェックポイントをovercomeするのに重要な役割を果たしていることが明らかになった。そこで,WT1の4つのspliced form(17AA+/KTS+,17AA+/KTS-,17AA-/KTS+,17AA-/KTS-)のうち,どのspliced formが,G2/Mチェックポイントのovercomeに重要な役目を果たしているかを解明するために,4つのspiced formの各々をtransfectしたK562細胞を樹立し,この各々の細胞をWT1アンチセンスオリゴマーで処理したところ,17AA+/KTS+のspliced formをtransfectしたK562細胞のみが,WT1アンチセンスオリゴマーの効果からrescueされた。よって,17AA+/KTS+がG2/Mチェックポイントのovercomeに重要な働きをしていることが明らかになった。また,ヒトの正常骨髄からCD34^+造血幹細胞を1コ1コFACS-sortし,1コ1コの細胞のWT1の発現を解析したところ,1,634コ中19コ(1.2%)にWT1の発現が見られ,発現量は,白血病細胞とかわらなかった。このことは,これらのWT1発現正常造血幹細胞が,白血病細胞のnormal counterpartであることを示唆している。
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