研究課題/領域番号 |
13470209
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 格 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30092737)
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研究分担者 |
吉田 豊 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40182795)
矢尾板 永信 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00157950)
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キーワード | 糸球体腎炎 / 遺伝子 / 蛋白質 / ゲノミックス / データベース / 二次元電気泳動 / プロテオミックス / 糸球体cDNAライブラリー |
研究概要 |
ヒトIgA脅症め進展機構を病変部位で発現している遺伝子と蛋白質を明らかにすることで解明し、さらには病変部位で、IgAと結合していると想定される抗原を明らかにすることが本研究の目的である。 1.ヒトIgA腎症の糸球体病変を形成する遺伝子と蛋白賛の同定 ヒトIgA腎症の病変糸球体で発現している遣伝子と蛋白質を明らかにするために、正常糸球体で発現している遺伝子と蛋白質の網羅的同定を目指した。糸球体発現遺伝子の同定には正常ヒト糸球体遺伝子ライブラリーを作製し、その内の約5,000遺伝子の塩基配列を決定し、そのデータベースを作成し、既に公開されている他め臓器の遣伝子データベーズと比較した。これまで報告されている糸球体特異的遺伝子、nephrin、podocin、synaptopodin、podocalyxinなどの遺伝子が分離され、バンキングされた。現在それらを使ったDNA arrayの作製の準備が進んでいる。 正常糸球体に存在する蛋白質の同定には2次元電気泳動で展開したヒト耳常糸球体蛋白質のスポットをピックアップし、ゲル内部分限定蛋白分解をした後、飛行時間型質量分析装置でタンパク質を決定し、そのデータベースを作成中である。現在までに、約200スポヅトの同定が終わった。 2.糸球体に沈着しているIgAと結合している抗原の同定 ヒトIgA腎症の糸球体からIgAを分離し、二次元電気泳動で展開したIgA腎症の糸球体蛋白の中にそのIgAと結合する蛋白をWestem blot法で検出し、そのアミノ酸配列を解析することを目指し、ブタ自然発症IgA腎症をモデルとして、その糸球体からIgAを分離を試みた。単離糸球体から酢酸バッファーで処理するとIgAが効率良く回収され、一方、DOCで可溶化しない糸球体分画を二次元電気泳動で展開するとそこにIgA沈着物がほとんど含まれることから、抗原もこの分画に存在すると推定された。この分画を集め、二次元電気泳動で展開したところ、IgA、IgG分子以外にいくつかのタンパク質スポットが認められた。現在、それらのスポットのタンパク質同定を進めている。
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