研究課題/領域番号 |
13470215
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 廣壽 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00171794)
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研究分担者 |
半田 宏 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80107432)
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キーワード | ステロイドホルモン / 転写因子 / 共役因子 / 薬理学 / 内分泌学 / DNA / RNA |
研究概要 |
申請者は、代表的核内レセプターであるグルココルチコイドレセプター(GR)の分子生物学的研究を過去10年間にわたり継続し、その転写調節における意義を明らかにしつつある。そこで、これまでの研究で得られた成果と技術を基盤に、新たに発生工学的手法をもとりいれ、GRをモデルとして核内レセプターによる生体機能調節機構を以下の4つの柱から明らかにすることを目的とする。 1.GR遺伝子破壊細胞を作成しGR標的遺伝子を同定するとともにその機能を明らかにする 2.GR遺伝子破壊マウスを用いてGRとその標的遺伝子の生理機能に与える作用を明らかにする 3.GR標的遺伝子の発現調節機構と生体機能調節における意義を明らかにする 4.グルココルチコイドによる組織特異的遺伝子発現調節機構を明らかにする 1.GR遺伝子破壊細胞を作成しGR標的遺伝子を同定するとともにその機能を明らかにする RNAiを用いてGRをノックダウンする系を立ち上げ、すでにいくつかの細胞で動いている。今後、標的遺伝子発現を確認する。 2.GR遺伝子破壊マウスを用いてGRとその標的遺伝子の生理機能に与える作用を明らかにする G.Schutz博士(ドイツ癌研究センター)との共同研究により、GR遺伝子破壊マウスを各種条件下で飼育後屠殺し、各組織よりRNAを抽出後DNAチップなどを用いたGR標的遺伝子の発現プロフィールを解析中である。 3.グルココルチコイドによる組織特異的遺伝子発現調節機構を明らかにする 合成グルココルチコイドであるコルチバゾールCVZを用いて、GRのリガンド結合領域の機能的多様性を実証した。また、AF-1転写活性化領域に作用する共役因子のレパートリーはCVZ結合GRとDEX結合GRでは明らかに異なり、リガンドによる組織特異的グルココルチコイド応答性遺伝子発現機構が明らかにされた。今後、クロマチン免疫沈降法などを用いてより詳細な分子機構を解明する。
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