研究概要 |
GIOTが作用(転写調節)している卵巣の遺伝子群を同定し、卵巣機能におけるGIOTの役割を明らかにする。GIOTは、遺伝子の上流の特定のDNA配列に結合すると考えられる。私共は既に、サブトラクションクローニング法を用いてゴナドトロピン誘導性の卵巣遺伝子、scavenger receptor type B (SR-BI), NGF-IA (egr-1), steroidogenic acute regulatory protein (StAR), LH receptor, 20-beta HSD, 3-beta HSD, P450_<C17>, P450_<SCC>等を多数クローニングしている。本研究ではこれらの遺伝子の発現調節にGIOTが関与するかどうかを明らかにした。まず、これらのゴナドトロピン誘導性の卵巣遺伝子の上流域をクローニングし、遺伝子発現能力を調べるために、ルシフェラーゼベクターに組み込んだ。これらの遺伝子が発現していると思われる卵巣顆粒膜細胞にGIOTと同時にトランスフェクトし、GIOTのルシフェラーゼ活性に対する影響を解析した。またその一環として、GIOTと相互作用する遺伝子群を卵巣顆粒膜細胞からスクリーニングし、新規の性腺特異的転写因子GCX-1を発見した。GCX-1はHMG-boxを有する転写活性化因子で、卵巣、精巣、子宮、脳下垂体、視床下部にのみ存在する大変ユニークな転写因子である。本研究により新たな転写因子を発見したことは大きな成果である。
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