研究課題/領域番号 |
13470219
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
猿田 享男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051571)
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研究分担者 |
栗原 勲 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90338038)
柴田 洋孝 慶應義塾大学, 保健管理センター, 専任講師 (20245484)
林 松彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60129608)
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キーワード | エストロゲン受容体 / COUP-TFI / 転写共役因子 / coactivator / corepressor |
研究概要 |
本年度は、エストロゲンおよびエストロゲン受容体調節因子(SERM)による動脈硬化予防の作用機構を明らかにするために、ヒト心臓cDNA libraryからエストロゲン受容体(ER)-interacting proteinと、並行してER作用を増強する別の核内受容体COUP-TFI-interacting proteinのクローニングを行った。COUP-TFIは、ERαと複合体を形成して、ERαのSer118をMAPK依存性にリン酸化することによりER作用を増強することが示された(Metivier et al. EMBO J.21:3443-3453,2002)。Yeast two-hybrid systemを用いて、COUP-TFI-interacting proteinsとして2種類の新規蛋白質の同定に成功した。これらは、COUP-TFI応答性遺伝子の発現に対しては、プロモーター依存性にcorepressorまたはcoactivatorとして機能するbifunctional coregulatorであることが示された。この2種類の新規COUP-TFI coregulatorは、COUP-TFIのみならず、COUP-TFII, SF-1/Ad4BPとも強い相互作用を示し、既報の転写共役因子とは異なるレセプター選択性を示した。また、その転写抑制においては、trichostatin A処理で解除されないことから、trichostatin A非感受性のヒストン脱アセチル酵素の関与が示唆されている。現在、この新規蛋白の機能解析を進めている。さらに、SERM結合ERに相互作用を示す転写共役因子に関しては、さらにスクリーニングを進めていく予定である。
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