研究概要 |
1:ヒト癌細胞株のトランスポーター発現の解析 (1)Nothern blot解析にて、各種癌細胞株のLST-1,LST-2,RFC-1の発現を解析したところ、大腸癌、膵癌、胃癌、乳癌などの細胞株で高率にLST-2の発現が認められた。LST-1は、癌における発現はほとんど認められなかった。RFC-1は、種に血球系の癌と肺癌で発現が認められた。 (2)LST-2のmRNA発現強度をリアルタイムRT-PCRにて検討中である。 2:LST-1またはLST-2遺伝子導入による、抗癌剤取り込みおよび感受性変化の解析 (1)LST-1またはLST-2のcDNAを組み込んだ組み換えadenovirus(AdLST-1、AdLST-2)を作製した。 (2)乳癌細胞株MB231にAdLST-1またはAdLST-2を導入しLST-1・LST-2を強制発現させ、癌細胞におけるMTXの作用増強効果について検討した。LST-1・LST-2を強発現させたMB231では、MTT assayにてMTXに対する感受性が有意に増加した。またMTXの競合体BSPによりその感受性増強効果は抑制された。 (3)MTXの細胞内取り込みを^3H-MTXを用いて測定した。AdLST-1およびAdLST-2感染細胞は、no virus群、Adβ-gal(control virus)群に比べMOI5ではそれぞれ約5倍、MOI10ではそれぞれ約8倍増加した。 (4)AdLST-1、AdLST-2を感染させたMB231を用いて蛍光法による免疫染色を行ったところ、細胞膜及び核膜周囲の細胞質に強い発現が認められた。
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