研究課題/領域番号 |
13470231
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
椎葉 健一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90196345)
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研究分担者 |
溝井 賢幸 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90271949)
阿部 高明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80292209)
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キーワード | トランスポーター / 有機アニオン / 抗癌剤 / 抗癌剤感受性 / 固形癌 |
研究概要 |
1:ヒト癌細胞株のトランスポーター発現の解析 (1)LST-2のmRNA発現強度をリアルタイムRT-PCRにて検討したところ、肝臓癌、胃癌、大腸癌、乳癌の細胞株において、高い発現が認められた。 2:LST-1またはLST-2遺伝子導入による、抗癌剤取り込みおよび感受性変化の解析 (1)LST-1またはLST-2のcDNAを組み込んだ組み換えadenovirus (AdLST-1、AdLST-2)およびコントロールウイルスAdβ-galを作製した。 (2)乳癌細胞株MB231およびZR75-1にAdLST-1またはAdLST-2を感染させ、LST-1・LST-2が強制発現されることを、Western blot・蛍光免疫染色にて確認した。 (3)MTXの細胞内取り込みを^3H-MTXを用いて測定した。AdLST-1およびAdLST-2感染細胞は、no virus群、Adβ-gal群に比べ、有意に取り込み量が増加した。 (4)癌細胞に対するMTXの作用増強効果について検討した。LST-1・LST-2を強発現させたMB231およびZR75では、MTT assayにてMTXに対する感受性が有意に増加した。またLST-1・LST-2が運ぶ基質のひとつであるBSPにより、その感受性増強効果は抑制された。 (5)MB231細胞をSCID mouse皮下移植1週間後に、AdLST-1、AdLST-2、Adβ-galをそれぞれ腫瘍内注入し、その48時間後よりMTX 2mg/kgを5日間腹腔内連続投与した。MTXを投与せず、adenovirus のみ投与した群では、腫瘍増殖に有意な差は認められなかった。一方AdLST-1/MTX投与群およびAdLST-2/MTX投与群は、MTXのみ投与した群、およびAdβ-gal群と比べ、有意に腫瘍増殖抑制効果がみられた。ZR75-1についても同様の検討をおこなっている。
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