研究課題/領域番号 |
13470234
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 誠二 京都大学, 医学研究科, 助手 (50303839)
|
研究分担者 |
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
小野寺 久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50240825)
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
|
キーワード | 樹状細胞 / decoy receptor / representational difference analysis / 化学療法 / epigenetic silencing / promoter methylation / ヒストン蛋白のacethylation / 特異的免疫誘導 |
研究概要 |
食道癌を中心として食道癌細胞株と正常培養食道上皮の遺伝子の発現の差をrepresentational difference analysis法により検討し、食道癌特異的発現の見られる遺伝子群と正常培養食道上皮に特異的に発現の見られる遺伝子群を用いて、遺伝子および蛋白の発現を食道癌組織で正常食道上皮と癌組織で検討を行った。正常食道上皮に特異的発現の見られる遺伝子は、遺伝子及び蛋白レベルで共通して食道癌組織で正常食道上皮と比較して発現の低下が見られ、細胞株では発現が消失することを証明した。生体内での組織内環境はepigenetic suppressionの状態であり、細胞株となるとsilencingの状態であり、増殖細胞周期関連蛋白のプロモータ領域のmethylationとヒストン蛋白のacethylationがその発現コントロールに関与していた。樹状細胞から産生されるTRAILはapoptosis誘導作用を持つ分子であり、その感受性はdeath receptor & decoy receptorの発現量の差によるという仮説に基づき食道癌細胞株における発現の差とTRAILへの感受性の検討を行い、抗癌剤処理による癌細胞でのdeath receptor発現上昇と正常末梢血リンパ球でのdecoy receptor1の発現上昇という対照的な受容体の動きを証明した。生体内でのapoptosis関連受容体の動きが集学的治療によりコントロールされ、正常細胞は身を守る方向への動き、感受性のある細胞はdeath receptorの上昇がみられ、その場に樹状細胞が集積することにより、樹状細胞を中心としてapoptosis誘導と抗原取り込みと成熟のプロセスからリンパ組織へhomingすることにより特異的な免疫誘導と抗腫瘍効果を発揮することが示唆された。
|