研究課題/領域番号 |
13470243
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50142419)
|
研究分担者 |
松浦 芳文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90317157)
長谷川 博俊 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00218455)
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20216261)
|
キーワード | 遺伝子治療 / ミサイル療法 / L粒子 / 肝細胞癌 / 緑色螢光遺伝子 / ヌードラット |
研究概要 |
B型肝炎ウイルスのエンベロープタンパクであるHBs抗原はウイルスDNAやコアタンパクなどを伴わなくても単独で粒子化が可能で、しかも粒子内にDNAをはじめとした種々の物質を封入することが可能なので、組織特異性、安定性、導入効率性、安全性に優れたベクターになると考えられる。そこで、酵母により作製したBがた肝炎ウイルスL粒子が有効なDrug Delivery Systemになることを証明すべく本研究を行った。緑色蛍光遺伝子を封入したB型肝炎L粒子をヒト大腸癌およびヒト肝細胞癌を皮下に移植したヌードラットもしくはヌードマウスに尾静脈や腹腔内に注入すると、緑色蛍光はヒト肝細胞癌にのみ検出され、ヒト大腸癌細胞やヌードマウスもしくはヌードラットの肝臓、脾臓、腎臓、心筋、骨格筋などには緑色蛍光は全く認められなかった。また、B型肝炎ウイルスL粒子を投与したヌードマウスやヌードラットには体重および重要臓器重量の減少や下痢など副作用と考えられるような症状も認められなかった。手術時に得られた正常ヒト肝臓組織をヌードマウス腎皮膜化に移植しアシアロ抗体をヌードマウスに投与することにより高率に正常ヒト肝臓組織片を生着させることが可能であった。今後の遺伝子治療や肝炎治療薬の評価するのに必要なシステムであると考えている。AFP調節遺伝子の下流に緑色蛍光遺伝子を組込んだプラスミドベクターをin vitroでヒト大腸癌細胞株とヒト肝細胞癌株に投与すると、ヒト肝細胞癌株にのみ特異的に緑色蛍光が認められた。
|