研究課題/領域番号 |
13470258
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
真辺 忠夫 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80127141)
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研究分担者 |
佐藤 幹則 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305551)
岡田 祐二 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10305550)
竹山 廣光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00216946)
沢井 博純 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40336681)
舟橋 整 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10347411)
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キーワード | 膵癌 / 神経浸潤 / GDNF / RET / インテグリン / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
「膵癌の神経浸潤機構の解明」について、これまでに我々が得た結果を以下に報告する。 1.GDNF刺激による膵癌細胞株のインテグリンの発現状態変化について、CELISA法にて検討した結果、BxPC-3、SW1990、Capan-2、PaCa-2において、α6、β1鎖の発現増強を認めた。 2.GDNF刺激による膵癌細胞株の細胞外マトリックスに対する浸潤能の変化について検討した結果、BxPC-2、Capan-2、PaCa-2、SW1990においてラミニンとフィブロネクチンに対する浸潤能は有意に増強、IV型コラーゲンに対してはPaCa-2のみに有意差を認めたが、ほかすべての細胞株で接着能増強の傾向を認めた。 3.膵癌細胞自体が、GDNF等の神経栄養因子を分泌しでいるかどうかについて、検討を行っている。GDNF分泌に関しては、mRNAレベルでの検討を行い、ある種の膵癌細胞株が、GDNFのmRNAを有していることを発見している。 4.血管新生に対する影響を使用した膵癌細胞浸潤能の検討を施行中である。 これらの結果は、膵癌の好神経進展性を考える上で、新しい重要な考え方であり、膵癌の神経浸潤の機序解明に大きな進展をもたらすものと考える。今後は、神経栄養因子のreceptorを介したシグナル伝達経路の解明、神経栄養因子刺激による膵癌細胞株の遺伝子発現の変化、また、神経栄養因子刺激によるNF-κB、AP-1などの転写因子の活性変化を含めた研究を継続していく。
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