研究概要 |
研究開始の準備として、本課題における研究計画に沿い、"難治性固形腫瘍に対する骨髄非破壊的同種末梢血幹細胞移植を併用した特異的免疫細胞療法"の実施計画書を、本学の人間を対象とする医学研究審査委員会に申請し、平成13年2月8日に承認された。 それ以後、患者本人から本臨床研究に参加するICを取得できた同胞を有する3例のHLA・A24陽性かつCEA陽性の難治性の進行再発固形癌患者(症例(1):膵臓癌,症例(2):乳癌,症例(3):大腸癌)が現れたが、症例(1)は急激な病状の進行のため、症例(2)はHLA一致同胞がドナーとなることに了承して頂けなかったために、症例(3)はHLA一致同胞がB型肝炎ウイルスキャリアーであったため、本研究への参加を断念せざるを得なかった。基礎研究においては、本学において症例の多い食道癌を対象とした研究展開が可能となるようにHLA・A24拘束性の扁平上皮癌抗原(SCC)ペプタイドの同定に着手し、また末梢血幹細胞由来の樹状細胞誘導のための至適培養条件の検討を進めた。 本年度は対象候補症例を膵臓癌,スキルス胃癌,食道癌,再発大腸癌等に絞込み、早期に第一例目の患者の診療を開始し、症例を1例でも多く蓄積したい。また、保険診療との兼ね合いが難しい先進医療を扱う研究であるため、学内横断的に多診療科の協力の下インフラ整備を進めて行きたい。
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