研究概要 |
平成14年4月以降、患者本人から本臨床研究に参加するInformed Consentを取得できた2例の化学療法不応性の進行再発大腸癌患者が存在した。2例とも60歳未満のHLA一致同胞が存在した。1例目(58歳,女性)は多発肝転移,肺転移,骨転移再発症例であったが、移植目前に骨転移の急性増悪をきたし,治療を断念した。2例目は多発肝転移再発症例であったが、当院での治療を目前にして国立がんセンター中央病院への転院とそこでの加療(骨髄非破壊的同種末梢血幹細胞移植)を希望された。 本臨床研究計画は、難治性消化器癌に対して骨髄非破壊的同種末梢血幹細胞移植(ミニ移植)に上乗せして、腫瘍抗原ペプチドを用いた腫瘍特異的な同種免疫細胞療法を上乗せするものであるが、消化器癌においては膵臓癌や大腸癌においてミニ移植の有効性が本邦において報告され始めたばかりである。その中心的施設は国立がんセンター中央病院や東京都立駒込病院である。開発途上の探索的癌治療法であるため患者の集積は容易ではなく、候補患者が現れては先にあげた他施設での加療を多くの患者が望むのが現状である。 本年度は学内横断的に多診療科の協力の下にインフラ整備を進め,対象候補症例を膵臓癌,スキルス胃癌,再発食道癌,再発大腸癌等とし,症例を1例でも多く蓄積してしいきたい。
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