研究課題/領域番号 |
13470261
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小林 英司 自治医科大学, 医学部, 教授 (00245044)
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研究分担者 |
村上 孝 自治医科大学, 医学部, 講師 (00326852)
袴田 陽二 自治医科大学, 医学部, 講師 (00218380)
岡本 宏明 自治医科大学, 医学部, 教授 (30177092)
田中 紘一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20115877)
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | ウイルス性肝炎 / 肝移植 / DNAワクチン / 非特異的免疫抑制剤 / FK506 / ハイドロダイナミクス法 / 遺伝子銃 |
研究概要 |
近年、ウイルス性肝炎に起因する肝硬変の治療法の一つとして肝移植の適応が広がりつつある。本研究は移植後のウイルス性肝炎の再燃防止を目的に、安価で高い効果の期待できる肝臓への局所DNAワクチン療法の検討を行った。1)粒子媒体加速法(遺伝子銃)とハイドロダイナミクス法(大量のnaked plasmid DNAを高速静注する)におけるHBs抗体価の比較:前年度までに、抗原ペプチド遺伝子をアジュバント遺伝子(IL-12など)とともに肝臓に遺伝子銃で免疫すると、強力なワクチン効果が得られる事実から、肝臓は初回免疫の部位としてDNAワクチンの優れた標的となることを報告した。しかしながら、遺伝子銃法では肝表面への傷害は避けられず、今回はハイドロダイナミクス法によるDNAワクチン投与を検討した。同法はDNAを血管内投与するもので、キャリアーを用いない裸のプラスミドDNAをラットに静脈内に投与した結果、肝選択的に高いレベルの遺伝子発現が得られることを明らかにした。またハイドロダイナミクス法によるHBs cDNAワクチン療法での抗体価は、遺伝子銃法と比較しても遜色なく十分に高い価が得られた。さらに同法によって修飾された肝臓が移植可能であること、また同法をカテーテル法と組み合わせることにより、臓器選択的な遺伝子発現が可能であることをラットモデルで証明した。2)非特異的免疫抑制剤(FK506)の抗体産生への影響:初回免疫を30%切除肝に施行し、肝再生を誘導した場合、FK506存在下で顕著なHBs抗体の上昇が観察された。この結果は、単純に肝移植におけるDNAワクチン療法が有効であることに止まらず、肝再生を促した移植肝へのDNAワクチン療法と免疫抑制剤FK506の積極的な組み合わせがB型肝炎ウイルスの移植後再燃防止策として有効であることを示唆している。従って、臨床の生体部分肝移植での本法の有効性が期待される。
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