研究課題/領域番号 |
13470266
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
谷田 達男 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20217144)
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研究分担者 |
友安 信 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50347861)
水野 大 岩手医科大学, 医学部, 講師 (90321992)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 肺移植 / 肺傷害 / 肺血管内皮細胞 / 細胞内信号伝達経路 / protein kinase C / アクチン重合 / transendothelial electrical resistance |
研究概要 |
肺傷害は活性化した好中球が肺血管内皮細胞に接着し、キサンチンオキシダーゼ(XO)を介して発生した活性酸素種によって細胞傷害を生じることを示した。一方、XOは好中球に存在せず、血管内皮細胞に多く含まれることからこの肺傷害が血管内皮細胞自体の活性化によって生じる可能性を追及することとした。摘出潅流肺の実験において、活性化好中球が肺血管内皮細胞の信号伝達系を介して肺血管内皮細胞障害を生じせしめるか否かを、protein kinase C (PKC)を阻害することによって確認した。この系ではPKC阻害剤が容量依存性に肺血管内皮細胞傷害を抑制することを示した。さらに、好中球を投与していない潅流肺にPKC作動薬を投与すると同様の肺血管透過性亢進を生じることを示した。一方、血管内皮細胞培養実験においては内皮細胞の蛋白に対する透過性を測定できないために、肺血管内皮細胞培養状態での細胞シートの上下での電気抵抗値(transendothelial electrical resistance : TER)を測定した。高浸透圧刺激によってTERの増加と、細胞間隙に存在するFAK (focal adhesion kinase)の活性の増加およびE-cadherinの細胞周辺への集積が認められた。この刺激時にはactin filament濃度が増加した。肺動脈内皮細胞の電気抵抗はprotein kinase Cの賦活剤、PMA (phobor myristate acetate)の投与によりTERが低下し、actin filamentsの脱重合が関与していることを確認した。一方、アクチン線維を脱重合するcytochalasin Dによっても、TERの値が低下し、actin filamentsの関与が示された。しかし、高浸透圧刺激によってTERの変化がない状態でもactin filament増加反応が存在することは血管内皮細胞の防御機構の増強に関してはactin filamentsの関与がないことが示唆される。一方FAKのkinase-deficient mutantを持つ培養細胞を用いた実験ではfocal adhesion活性の増強とE-cadherinの増強が抑制され、電気抵抗の増強が鈍くなることが示された。以上から血管内皮細胞の高浸透圧刺激に対する反応にはFAKが重要な役割を果たしていることが示された。
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