研究課題/領域番号 |
13470268
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山本 文雄 秋田大学, 医学部, 教授 (00127474)
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研究分担者 |
柳 克祥 秋田大学, 医学部, 助手 (50323142)
加賀谷 聡 秋田大学, 医学部, 助手 (60323143)
石橋 和幸 秋田大学, 医学部, 講師 (00291617)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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キーワード | ティッシュエンジニアリング / Hybrid Graft / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
本年度の実験は、動物実験を中心に行った。雑種成犬の外頚静脈より酵素法で血管内皮細胞を採取し、外植片法により平滑筋細胞、線維芽細胞を採取した。約2週間の継代培養を行った後に、それらをFibrin Glueと混合し、線維芽細胞層、平滑筋細胞層、内皮細胞層の順に階層性に、生体吸収性人工血管上に構築し、細胞を採取した犬の内頚動脈に移植した。 まず移植後2週間の時点においてsacrificeし、組織学的に検討した。その組織学所見では、走査電顕で血管内腔面を観察したところ、完全に内皮細胞で覆われていた。また、それらの内皮細胞はすべて血流方向への配向を呈していた。中膜においては、平滑筋細胞、線維芽細胞が盛んに細胞分裂を繰り返し、新生中膜を形成していた。また、一部においては人工血管の外側より、自己の線維芽細胞や平滑筋細胞が、人工血管を通して侵入してきている所見も認められた。人工血管に動脈瘤様の所見は認めなかった。光顕では人工血管の組織はまだ残存していた。しかし、組織を摘出する際、加圧固定を行ったところ、亀裂が入った部分があり、人工血管が吸収され、強度が弱くなった部位もあると考えられ、人工血管を多孔質のスポンジ状にメッシュを追加することにより強度を強くし実験を再開した。また、人工血管周囲に生体吸収性線維と非吸収性線維の組み合わせで作成されたメッシュを巻き、過度の拡張を抑制する工夫も試みながら、現在、さらに長期間移植モデルを作成中である。また、下大静脈にも移植を行っており、低圧系におけるグラフトの状態についても検討中である。
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