研究分担者 |
高橋 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50263257)
福嶌 教偉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30263247)
松田 暉 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00028614)
高野 弘志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70346196)
宮本 裕治 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80229898)
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研究概要 |
これまで、我々は、障害心へ心筋再生因子を高発現させ、細胞外マトリックスを再構築し、血管新生を誘発することにより、移植細胞の生着環境を整え、かつ移植細胞を保護するという遺伝子導入技術を細胞移植に併用した新しい再生医療を開発した。また、HGF遺伝子、及びThymidine kinase遺伝子を遺伝子導入した線維芽細胞はベクターとしての機能を果たし、Gancyclovilを投与により、遺伝子発現がコントロールできることを証明した。今回、我々は、これまで小動物のレベルで蓄積した細胞療法及び、遺伝子治療を大動物レベルに応用し、大動物重症心不全モデルに対する心機能・組織再生効果を検討した。 【犬慢性梗塞モデルに対する細胞治療法の開発】 成犬の冠動脈左前下行枝閉塞により広範囲心筋梗塞による不全心を作成し、同時に大腿部より筋芽細胞を採取した。4週後に、筋芽細胞移植群(M群、n=5)、及びコントロール群(C群、n=5)を作成し、処置後4週にて、心機能、及び組織学的検討を行った。M群において、有意な収縮能の向上を認めた。 【山羊急性梗塞モデル補助循環下遺伝子治療の開発】 成山羊を用いて,左前下行枝閉塞により心筋梗塞による不全心を作成し、左室補助人工心臓を装着した.これらを、HGF遺伝子プラスミドを心筋に導入した群(VG群)と,LVAD装着のみの群(V群)に分け,4週間後,心機能,血行動態を測定,心臓の組織学的検討を行った.遺伝子導入4週間後,30分間のLVAD離脱テストを行った.VG群において,良好な血行動態が維持されたのに比して,V群ではLVAD離脱後に血行動態の悪化,心機能の低下を認めた.組織学的には,VG群においてLV内腔の拡大,心筋細胞の肥大性変化,線維化が抑制され,HGF遺伝子導入領域で有意な新生血管の増加を認めた.
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