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2002 年度 実績報告書

慢性心房細動のパターン解析と手術用高周波治療装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13470275
研究機関広島大学

研究代表者

末田 泰二郎  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10162835)

研究分担者 渡橋 和政  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70204295)
キーワード慢性心房細動 / 肺静脈口隔離術 / 電気生理学的検査 / スペクトル解析 / 周期的興奮部位 / 低浸襲手術 / 術中マッピング / 高周波焼却
研究概要

咋年度に引き続き,心房細動を有する心疾患患者の開心術において,左右心房筋の電位マッピングを行い,記録された永続的心房細動中の心房興奮波をデジタルデータとして記憶媒体に記録すると同時に,解析ソフトウエアとデータ表示用コンピュータおよびソフトウエアを用いて術中にリアルタイム表示を可能とし,心房興奮のパターン解析を行った.電位の解析に際しては,新規に開発導入したスペクトル解析(FFT)による波形規則性の定量化法を応用し,規則性の可視化を行って検討した.あわせて,経食道心エコー検査により左房径や肺静脈口入口部間の距離を測定し,基礎疾患,病悩期間,左房径などの違いなどの背景因子と含めて,電気生理学的所見との関連を検討した.
以前より蓄積してきたデータを含めて,これらを検討したところ,電位パターンの可視化によって判断される一定の様式,具体的には周期性の高い興奮波の出現頻度が一定の部位(左心耳,分解溝などの解剖学的障壁部に多い)で高いなど,を呈するものでは,手術成績がより良く,そうでないものに関しては追加の切開線を置くことによって手術成績が向上するということが判明してきた.また,術式を器質的心疾患以外にも拡げ,その成績も器質性心疾患合併例と大きく差がないことが確認された.これらから,より低侵襲な術式として興奮様式別の標的心房部位の特定を行った上での標的心房筋に対する高周波洗浄焼却を行うべく現在その適応を検討している.
また,高周波洗浄焼却装置の効果を十分とするために,焼却装置のデリバリーシステムに関する検討も行った.具体的には,動物(ビーグル犬)による心房焼却実験を出力や血液灌流の有無などの条件を変えながらパイロット的に行った.現在の焼却システムによる貫壁性の焼却は可能であるとの見解に達しているが,多様な焼却線に対応し,非体外循環下胸視下手術の実現のためのプローブ開発はさらに必要である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 末田泰二郎: "心房細動に対する外科治療の有用性とその将来展望"メディカル朝日. 31(2). 62-64 (2002)

  • [文献書誌] 末田泰二郎: "難治性不整脈の治療戦略-外科治療か内科治療か;心房細動の外科治療"Mebio. 20(1). 98-102 (2003)

  • [文献書誌] 今井克彦, 末田泰二郎, 他: "非弁膜症性後天性心疾患に合併した慢性心房細動に対する肺静脈口隔離術の経験"心臓. 34(Suppl.5). 15-16 (2002)

  • [文献書誌] T.Sueda, K.Imai: "Is Surgical Pulmonary Vein Orifice Isolation Enough For Elimination of Chronic AF?, Clinical Cardiac Pacing and Electropysiology edited by Hung-Fat Tse et al."Monduzzi Editore, Bologna, Italy. 133-137 (2000)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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