研究課題/領域番号 |
13470278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
大野 典也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60147288)
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研究分担者 |
長堀 隆一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50271309)
森田 紀代造 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70174422)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | HIF-1α / 遺伝子治療 / 血管新生 / 心臓再生 / Ameroid / 虚血心筋 |
研究概要 |
心臓は生命維持の中枢と位置づけられ、発生においてはいち早く分化を果たし、他の臓器の分化形成をおしすすめる役割を担っている。しかし心臓には、再生能がない。このため、障害心筋の機能代償の治療は、現状移植しかないと言える。この障害心筋を再生するため、遺伝子治療の確立を試みる。遺伝子導入により血管新生促進を惹起し、虚血にさらされ死に瀕している心筋細胞に新しい血管による再循環を巡らせ、その機能を再生させるというアプローチである。 まず、ブタを用いた実験系を確立するために、虚血心筋モデルの作製を試みた。Ameroidをブタの左冠動脈回旋枝の中枢に装着し、虚血心の作製を行った。ブタの体重と至適Ameroidサイズとの検討を行い、20〜30kgのミニブタにおいては、径1.9が至適サイズと結論づけられた。 この虚血心モデルにて、HIF-1遺伝子(HIF : hipoxia-inducible factor)導入による虚血部分における血管新生効果、遺伝子治療による血管新生の誘導の実験を施行した。評価法は、血管新生を選択的冠動脈造影で証明し、さらに局所心筋血流の評価にcolored microsphereを使用した。注入前と遺伝子を心筋に注入一ヶ月後の選択的冠動脈造影における比較検討では、前に比べ後で非常に細い血管の数が約20%ほど造成し、さらにAmeroid部での細いbridge collateralがかなり増えていた。microsphereによる局所心筋血流の評価においては、遺伝子注入後の一番虚血の効いている部位における相対的血流量の増加効果が認められた。今後、さらにnを増やしていく必要があるが、以上のような傾向が認められたことにより、虚血心へのHIF-1遺伝子注入が血管新生を促していることが確認された。
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