研究課題/領域番号 |
13470279
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
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研究分担者 |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
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キーワード | 血管壁 / 血管新生 / 線維芽細胞増殖因子 / 足場(scaffold) / 組織再構築 / 血管誘導 / RECモデル / ウサギ |
研究概要 |
外科的に血行再建が不可能なほど冠動脈が細い症例に対し、虚血心筋への血管誘導がさかんに試みられている。しかし、細胞あるいは動物実験においては遺伝子導入、あるいは増殖因子は有効であっても、いざ臨床的に用いると評価できるほどの優れた血管新生が誘導されているわけではない。本年度は家兎の創傷治癒モデルを用いて血管新生因子(線維芽細胞増殖因子)の影響下における血管伸展過程の観察および血管形成面積測定を行った。非侵襲的直視下に血管新生過程が観察可能であるrabbit ear chamberモデルにおいて血管新生因子を散布した(B)群および対照の生理食塩水を散布した(C)群では7日後にはB群の方が血管形成面積が有意に大きかった。しかし14日後になるとB群とC群では有意差が無くなった。このことから手術時1回用いた因子は術後7日目までは有効であったが、持続期間は限られていたことが明らかになった。血管形成は常に周囲に線維芽細胞と思われる多数の細胞に囲まれて起こっていた。さらに壁構成細胞の評価を試みた。新生血管が形成されて3週間後には動静脈が壁の厚さにより区別されたが、内皮細胞、平滑筋細胞および線維芽細胞の判定は今回の研究期間内には行えなかった。生体顕微鏡下に観察すると血管内面を被覆している細胞はすき間無く、表面には血栓はなく白血球が転がっていく様子が観察された。さらに血管新生を速やかにする条件を求めるのを目的に、細胞親和性の良好な足場(scaffold)をREC内に留置したところ、丈夫で出血しにくい血管芽が形成されることを観察した。
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