研究概要 |
1 局所脳虚血年おける神経幹細胞の動態について SOD遺伝子導入マウスと通常マウスを用いて30分間の一過性局所脳虚血モデルを作成し,1週間後にBrdUを腹腔内投与して神経幹細胞の発現を抗BrdU抗体を用いた免疫染色で評価した。また,BrdU陽性細胞の性質を検討するために抗Brdu抗体と神経組織マーカー、NeuN(ニユーロン), GFAP(アストロサイト), Isolectin B4(マイクログリア), PCNA(神経幹細胞)との二重免疫染色を行った。虚血負荷後1週間ではSOD遺伝子導入マウス、通常マウスとも虚血側の側脳室下帯および海馬歯状回でBrdU陽性細胞が非虚血側と比べ,より多く発現していた。また,SOD遺伝子導入マウスでは通常マウスより多くのBrdU陽性細胞の発現が観察された,二重免疫染色でBrdU陽性細胞は一部でNeuN, GFAP, PCNAに陽性を示し、ニューロン、アストロサイトに分化していく傾向が観察された。 2 老齢マウスにおける神経幹細胞の発現について SOD遺伝子導入マウスと通常マウスの老齢(16ヶ月齢)モデルではSOD遺伝子導入マウスでBrdU陽性細胞の発現数が通常マウスに比べ有意に多く、加齢における酸化ストレスが神経幹細胞発現に影響している可能性が示唆された。 3 局所脳虚血後の神経幹細胞の経時的変化について SOD遺伝子導入マウスと通常マウスを用いて30分間の一過性局所脳虚血モデルを作成し,1週間後にBrdUを腹腔内投与して経時的に神経幹細胞の発現を抗BrdU抗体を用いた免疾染色で評価し、神経幹細胞の分布・性状の変化について各種神経組織マーカー、NeuN(ニューロン), GFAP(アストロサイト), Isolectin B4(マイクログリア), PCNA(神経幹細胞), doublecortin(神経幹細胞)を用いた二重免疫染色を行う。現在、一過性局所脳虚血モデルを作成して,標本を免疫染色を行い評価、解析を行っているところである.
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