研究課題/領域番号 |
13470304
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
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研究分担者 |
井上 純一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70176428)
織田 弘美 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60101698)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50282661)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 破骨細胞 / RANKL / TRAF6 / インターロイキン1 |
研究概要 |
破骨細胞は骨吸収を中心的に担う細胞であり、正常な骨モデリング・リモデリングのみならず、骨粗鬆症、慢性関節リウマチ、あるいは癌骨転移など整形外科疾患のさまざまなアスペクトにおいて重要な役割を果たすことが明らかになっている。したがって破骨細胞の骨吸収メカニズムを分子レベルで明らかにすることによってこれらの疾患の新しい治療法を確立することが可能であると考えられる。近年破骨細胞分化・活性化にtumor necrosis factor superfamilyに属する幕結合型サイトカインreceptor activator of NF-kappa B ligand (RANKL)が重要な役割を果たすことが明らかになった。RANKLは破骨細胞前駆細胞に発現する特異的な受容体RANKに結合して細胞内に情報を伝達する、これまでにわれわれはTRAF6欠損マウスを作成することに成功し、RANKの下流でTNF receptor-associated factor(TRAF)6が重要な役割を果たしていることを明らかにした。本研究において、われわれはさまざまなTRAF6の変異体を発現するレトロウイルスベクターを作成し、これをTRAF6ノックアウトマウスより採取した破骨細胞前駆細胞に導入することにより、破骨細胞分化にはTRAF6のRINGフィンガードメインは必要としないが、骨吸収活性の発現にはRINGフィンガードメインが必須であることを明らかにした。また成熟した破骨細胞においてインターロイキン1は破骨細胞の活性化、生存の延長に働くが、このときインターロイキン1の刺激に応じて破骨細胞においてc-SrcとTRAF6がコンプレックスを形成すること、さらにはTRAF6の核内移行が認められることを明らかにした。今後TRAF6シグナルを特異的に抑制する薬剤を開発することにより、新しい骨代謝疾患の治療薬が開発されることが期待される。
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