研究課題/領域番号 |
13470309
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中瀬 尚長 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283755)
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研究分担者 |
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
橋本 淳 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40237938)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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キーワード | 骨形成因子 / 変形性関節症 / 骨折 / 遺伝子発現 / ヘッジホッグ蛋白 / 軟骨細胞 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1.骨折治癒の鍵を握る初期反応のシグナリング遺伝子として、我々は以前に骨形成因子の重要性を報告したが、その関連分子として、ヘッジホッグ蛋白とその転写因子であるGliの発現について観察し、将来の仮骨形成部位である骨膜、傍骨膜組織、骨髄組織におけるSonic hedgehogやGliの発現上昇について初めて明らかにし、骨折後の早期生体反応のメカニズムの一部を明らかにすると共に、骨折治癒のための骨膜、骨髄およびその周辺組織の重要性について解析した。 2.前年度の脊椎症の解析に続き、社会的問題となりつつある変形性関節症における軟骨細胞の生体内反応について解析した。代表的骨形成因子であるBMP-2の遺伝子発現は、軟骨変性の程度に比例して次第に深層まで及んでいき、特に骨棘形成部では未分化な細胞を中心に著明な発現を認めた。これらの結果は、関節軟骨の細胞が荷重ストレスに反応し、骨形成因子遺伝子を発現するという再生能力を有することを示すと同時に、実際に軟骨の細胞外基質の再生が生じていないという臨床的事実は、軟骨細胞の再生機序におけるBMPシグナリングのpost transcriptionalなレベルでのメカニズムの重要性を示唆するものである。 3.軟骨細胞での遺伝子強制発現トランスジェニックマウスを用いて、BMP-4およびその拮抗分子であるnogginの作用について解析し、その結果、BMP-4の強力な関節軟骨形成作用、およびnogginによるその抑制作用について明らかにした。
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