研究課題/領域番号 |
13470322
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
澄川 耕二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60028660)
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研究分担者 |
三好 宏 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (90332858)
趙 成三 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (90325655)
原 哲也 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (50304952)
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キーワード | 虚血再灌流障害 / 心筋スタニング / プレコンディショニング / Na^+ / Ca^<++>交換機構阻害薬 / 交感神経α_2作動薬 / KB-R7943 / デキサメデトミジン / 低酸素症 |
研究概要 |
1.Na^+/Ca^<++>交換機構阻害薬であるKB-R7943の薬理学的プレコンデイショニング効果を、雑種成犬を用いた15分間の虚血・再灌流による心筋スタニングモデルで検討した。KB-R7943の虚血前投与により、左前下行枝の15分間による虚血・再灌流後の心筋収縮力の回復が促進され、心筋スタニングの軽減効果が認められた。この心保護効果は用量依存性に発揮され、また、KB-R7943投与による全身および冠血行動態の変動は認められなかった。この成果を2002年の米国麻酔科学会で発表し、Anesthesiology 2002;97-3A-600に掲載された。 2.交感神経α_2作動薬であるデキサメデトミジンが、虚血による低灌流心における酸素需給バランスに与える影響を、ラット摘出灌流心モデルを用いて検討した。デキサメデトミジンは低灌流心における冠血流量、左室駆出圧、左室内圧上昇速度および心筋酸素消費量に影響を与えなかった。デキサメデトミジンは低灌流領域が存在する重症患者へも、安全に投与できる可能性が示唆された。この成果を2002年の米国麻酔科学会で発表し、Anesthesiology 2002;97-3A-684に掲載された。 3.交感神経α2作動薬であるデキサメデトミジンが、低酸素一酸素化による左室機能障害に与える影響を、ラット摘出灌流心モデルを用いて検討した。60分間の低酸素に続く30分間の酸素化によって、左室収縮力は低下し、左室拡張末期圧は上昇したが、デキサメデトミジンの低酸素前投与により、左室収縮力の低下と左室拡張末期圧の上昇が抑制され、デキサメデトミジンの低酸素-酸素化による左室機能障害に対する保護効果が認められた。この成果を2002年の日本麻酔科学会九州地方会で発表し、現在投稿中である。
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