研究概要 |
本研究は臨床面と基礎実験から急性肺傷害の発症機転におけるFas/FasL系をはじめとするアポトーシス関連因子の関与を解明せんとするものである。 1)急性肺傷害患者のマイクロサンプリング液中のアポトーシス関連因子発現の検討 臨床的にARDSと診断された患者を対象にして、新しく開発したBronchscopic microsampling法を用いて肺胞上皮被覆液を採取してその経日的変化を検討した。本方法は新規に我々が開発した全く新しい肺胞被覆液採取法である。従来の肺胞洗浄(BAL)ではわからなかった肺胞被覆液の絶対濃度を得ることができる画期的な方法である。現在可溶性Fas, FasLなどの濃度を検討している。また同時に20ml×5回のBALも可能なら施行し得られたサンプルの細胞成分の免疫組織染色などの可否について検討中である。 2)急性肺傷害に関する基礎的実験 アポトーシス関連因子異常マウス(FasLおよびFas mutant)を用いた急生肺傷害実験のための予備実験を繰り返した。さらにこれらの実験動物において前記の肺胞マクロファージの一時的な根絶を行い、その上でエンドトキシンへの反応を検討した。各マクロファージ根絶マウス、アポトーシス関連因子欠損マウスに対して経気管的にエンドトキシンを投与しそのlethal daseを決定した。研究途中でmutaht mouseの供給が一時ストップしたためさらなる検討は来期以降に持ち越した。
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