研究課題/領域番号 |
13470341
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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研究分担者 |
大東 貴志 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80185371)
中島 淳 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (10167546)
丸茂 健 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80138130)
堀口 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60229234)
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (00213885)
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キーワード | 前立腺癌 / NFκB / bcl-2 / アポトーシス |
研究概要 |
新規NFκB阻害剤であるDHMEQを用いた前立腺癌に対する新しい治療戦略の可能性さらにはその確立を目指した。まずin vitroにおいて48時間後に、DHMEQがDU145細胞に対して10μg/ml以上の濃度で、PC-3細胞に対しても10μg/ml以上の濃度で、JCA-1細胞に対しては2.5μg/ml以上の濃度で有意な抗腫瘍効果を示した。また、20μg/mlのDHMEQはこれらの細胞に対して時間依存性の抗腫瘍効果を示した。ついでDHMEQのNFκB活性に対する効果をNFκB luciferase reporter geneを用いたluciferase assayにより検討したところ、DHMEQはDU145に対しては10μg/ml以上の濃度で、JCA-1に対しては2.5μg/ml以上の濃度で、PC-3に対しては10μg/ml以上の濃度でいずれもNFκB活性を抑制した。一方、western blottingでDHMEQはIκBαの発現には影響しないことが示された。20μg/mlのDHMEQはこれらの細胞のアポトーシスを誘導したが、apoptosisと関連するBcl-2やBcl-xLなどの蛋白の発現には影響しないことが示された。DHMEQのin vivoでの抗腫瘍効果を検討した。5x10(6)のJCA-1細胞をヌードマウスの背部に移植し、腫瘍が触知できるようになった時点で8mg/kgのDHMEQを連日腹腔内投与したところ、21日目にはコントロールの腫瘍容積は2.07±0.75cm(3)であり、DHMEQ投与群は0.27±0.12cm(3)であり有意な抗腫瘍効果がin vivoにおいても認められた。以上より、ホルモン抵抗性前立腺癌においてはNFκBが活性化されており、新規NFκB阻害剤であるDHMEQはNFκBを抑制しアポトーシスを誘導することにより、ホルモン抵抗性前立腺癌に対する新しい抗癌剤として期待できることが示唆された。
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