研究課題/領域番号 |
13470342
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
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研究分担者 |
檀野 祥三 関西医科大学, 医学部, 助手 (40330196)
大口 尚基 関西医科大学, 医学部, 助手 (60257912)
土井 浩 関西医科大学, 医学部, 助手 (60227692)
杉 素彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (80298869)
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キーワード | 泌尿器悪性腫瘍 / 腹腔鏡手術 / 手術侵襲 / 癌細胞播種 |
研究概要 |
(1)尿路上皮癌に対する腹腔鏡手術手技の確立:患者を仰臥位に保ち、後腹膜到達法で腹部大血管周囲のリンパ節郭清を行いながら腎血管に到達し、同じポートから尿管下端の処理が可能な手術方法を開発した。 (2)尿路性器癌に対する腹腔鏡手術における気腹操作による術中癌細胞播種の可能性: 【臨床的検討】尿路上皮癌に対する開放手術9例、腹腔鏡手術13例、および前立腺癌に対する開放手術13例、腹腔鏡手術8例において、手術開始前と終了時に採決し、RT-PCR法で尿路上皮癌ではサイトケラチン19、20を、前立腺癌ではPSAとPSMAを検索した。その結果、尿路上皮癌では術後にサイトケラチン19または20のいずれかが陽性であったのは、開放手術で78%、腹腔鏡手術で46%であった。前立腺癌では、術後にPSAまたはPSMAのいずれかが陽性であったのは開放手術で61%、腹腔鏡手術で63%、術前にPSAまたはPSMAのいずれかが陰性で摘出後に陽性化したのはそれぞれ33%、55%であり、有意な差を認めなかった。 【基礎的検討】ウィスター系ラット40匹を用いて、MBT-2(移行上皮癌細胞株)を腹腔内に注入し、その後腹部縦切開または二酸化炭素のによる気腹を行い、2週間後の腹腔内腫瘍播種の状況を検索した結果、開放手術群と気腹群とで有意な差を認めなかった。 (3)気腹が心機能に及ぼす影響について:引き続き、腹腔鏡手術前後でBNPとANPを測定し、データ集積を図った。 (4)泌尿器腹腔鏡手術の手術侵襲評価法の確立:引き続き、IL6、T3、CH50、について、開放手術、腹腔鏡手術で術前術後の変化についてデータを集積した。 (5)その他:腎細胞癌に対する腎部分切除術として、マイクロターゼを用いた術式を確立するとともに、その短所を明らかにし、より多くの症例に対応できる新たな術式を開発した。新しい術式では、術中に腎動脈を遮断し、良好な止血、切除面の確認、尿路の閉鎖を容易とした。
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