研究課題/領域番号 |
13470342
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松田 公志 関西医科大学, 医学部, 教授 (20192338)
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研究分担者 |
檀野 祥三 関西医科大学, 医学部, 助手 (40330196)
大口 尚基 関西医科大学, 医学部, 助手 (60257912)
土井 浩 関西医科大学, 医学部, 助手 (60227692)
杉 素彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (80298869)
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キーワード | 泌尿器悪性腫瘍 / 腹腔鏡手術 / 手術侵襲 / 癌細胞播種 |
研究概要 |
(1)早期腎癌に対する後腹膜鏡下腎部分切除術の術式確立:直径4cmまでのT1a腎癌に対して、後腹膜鏡下に、腎動脈を腹腔鏡用ブルドック鉗子で遮断し、腎孟に挿入したシングルJ尿管カテーテルを通して冷却水で潅流,冷却しながら、腎部分切除を鋭的に行い、腎杯の縫合閉鎖、腎実質の縫合止血を行う術式を確立した。これまでに11症例に同手術を施行し、手術時間中央値220分、腎動脈阻血時間中央値50分、出血量中央値150ml、前例で腫瘍切除に成功し、術後腎機能も温存された。今後、腎冷却法の更なる改善を目指したい。 (2)腎孟尿管癌に対する後腹膜鏡下腎尿管全摘除術の術式工夫:尿管下部の摘出法について様々な試みを行ったが、術式の難易度、組織摘出に要する創などの観点から、半側臥位で後腹膜鏡下に腎摘除術を行い、手術台を傾斜させて仰臥位に近くし、下腹部傍腹直筋切開で尿管下端の処理と組織摘出を行うのが最も合理的で容易であると結論するに至った。 (3)気腹が心機能に及ぼす影響について:引き続き、腹腔鏡手術前後でBNPとANPを測定し、データ集積を図った。 (4)泌尿器腹腔鏡手術の手術侵襲評価法の確立:引き続き、IL6、T3、CH50、について、開放手術、腹腔鏡手術で術前術後の変化についてデータを集積した。 (5)腹腔鏡下前立腺全摘除術と開放手術による前立腺全摘除術の手術侵襲の比較:他施設の協力を得て、腹腔鏡下前立腺全摘除術21例、恥骨後式前立腺全摘除術22例、会陰式前立腺全摘除術12例の術後1日目の血中IL-6を測定し、比較検討した。その結果、3術式間に大きな差がないことが判明した。術後IL-6で見る限り、腹腔鏡下前立腺全摘除術のメリットは大きくないと考えられた。一方、術中出血量については腹腔鏡手術群が有意に少なく、術式の長所と考えられた。 (6)腹腔鏡下膀胱全摘除術臨床応用に向けての準備:本学倫理委員会に申請を行った。
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