研究課題/領域番号 |
13470344
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
峯岸 敬 群馬大学, 医学部, 教授 (00209842)
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研究分担者 |
中村 和人 群馬大学, 医学部, 助手 (60332558)
安部 由美子 群馬大学, 医学部, 助手 (70261857)
伊藤 理廣 群馬大学, 医学部, 講師 (20282402)
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キーワード | FSHレセプター / LHレセプター / TGF-β / ステロイド産生 |
研究概要 |
アクチビンは単独でFSHレセプター発現を強力に促進し、FSH存在下ではLHレセプターを強く誘導する。しかし、FSHの添加によりアクチビン産生は低下し、アクチビンの結合蛋白であるフォリスタチンは増加する。フォリスタチンはアクチビンと結合しその作用を中和する機能をもつので、結局FSHの添加はアクチビンの効果を抑制するように働くと考えられる。IGF-1は単独では作用を示さず、ゴナドトロピン共存下でレセプター発現を促進する。ゴナドトロピンはIGF-1レセプターの産生を促進し、ゴナドトロピンとIGF-1は協調してレセプター発現の維持を行う(Endocrinology 140 : 4965-4971, 1999 ; Biol Repro 62 : 325-333, 2000)。 最近は、卵より分泌されるGDF-9がFSHレセプターの発現に重要な役割を示すことが報告されている。GDF-9は、TGF-βスパーファミリーに含まれるので、TGF-βの作用について顆粒膜培養系に作用させてゴナドトロピンの発現に対する影響を検討した。TGF-βはcAMP産生に影響を与えないが、FSH共存下にLHレセプターの発現量を増加させた。この作用はアクチビンと異なり、フォリスタチンにより抑制されることはなかった。 ステロイド産生に関与する重要な蛋白であるStARの発現についても検討を行った。StARは顆粒膜細胞でFSHの作用で短時間で合成が増加することが観察された。これは、TGF-βのプレインキュベーションによりそのFSH作用は増強された。このことは、TGF-βは、単独でFSHレセプターの誘導にも作用している可能性があり、検討中である。
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