研究課題/領域番号 |
13470351
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
玉舎 輝彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (70079870)
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研究分担者 |
伊藤 直樹 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30184675)
藤本 次良 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80199372)
今井 篤志 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40193643)
丹羽 憲司 岐阜大学, 医学部, 助手 (80218247)
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キーワード | 婦人科腫瘍 / SHBGの相同性蛋白 / Gas6の発現 / プロゲステロンレセプターの発現 / 植物性エストロゲン生薬の抗腫瘍効果 |
研究概要 |
1)Gas6はSHBGと構造は類似しているが、その受容体であるAxl,Skynなども含め、子宮内膜においてそれらは発現(mRNA)するが性ステロイド依存症は認められなかった。卵巣子宮内膜症において、Gas6と受容体の中で最も親和性の高いAxlが高発現であった。また、子宮内膜癌に関しては、分化型の症例においてGas6およびAxlが高発現であった。現時点では詳細な機構は不明ではあるが、Gas6は子宮内膜症や分化型子宮内膜癌の増殖や進展に関与していると考えられた。 2)プロゲステロン受容体(PR)のN末端164アミノ酸の欠失した変異体PR-Aはレセプター蛋白そのものであるが、その重要な機能はER alphaや野生型であるPR-Bのレプレッサーとして働くことである。従来正常なプロゲステロンの標的臓器において、PR-BとPR-Aはほぼ1:1に発現しているが、卵巣癌や子宮内膜癌の転移巣では前例においてPR-Aの発現障害があり、レプレッサーとしてのPR-Aの発現障害が転移能獲得と関与していることがわかった。さらに、NIH3T3細胞においてPR-Aを発現させないで、ER aphaとPR-Bを発現させ、ヌードマウスに皮下移植すると、腫瘍形成がみられ、PR-Aの発現障害が腫瘍原性の獲得と深く関与することがわかった。 3)マウスE_2刺激子宮内膜発癌系に対して、十全大補湯、イソフラボン類であるgenistein及びdaidzeinの抑制効果を示した。その抑制作用は主としてE_2誘発プロトオンコジーンであるc-hos,c-jun及び内因性サイトカインのIL-1αとTNF-αの発現抑制と関連することが示唆された。補剤や大豆などに多く含まれるgenistein及びdaidzeinはヒトの子宮内膜癌に対して予防的に作用する可能性が示された。
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