研究課題/領域番号 |
13470352
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 典正 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00162321)
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研究分担者 |
齋藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263085)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
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キーワード | 胎盤 / 絨毛細胞 / 脱落膜 / 子宮らせん動脈 / matrix metalloproteinase / 一酸化窒素(NO) / 一酸化窒素合成酵素(NOS) / 陣痛 |
研究概要 |
本年度の研究では、ヒト正常妊娠初期の人工妊娠中絶時、正常妊娠末期の帝王切開分娩時および妊娠中毒症合併妊娠の帝王切開分娩時に胎盤床脱落膜組織をcurettageにて採取し、胎盤床血管およびその周囲へのextravillous trophoblastの浸潤を形態学的に検討した。 妊娠8〜10週では既に子宮筋層内にもtrophoblastの浸潤が認められた。妊娠末期胎盤床でも同様にtrophoblastの浸潤が見られたが、妊娠中毒症合併妊娠では浸潤の程度が少ない傾向が見られた。 つぎに、trophoblastの浸潤能につき検討する目的で、collagen分解酵素であるmatrix metaloproteinases(MMPs)の発現につき免疫染色にて検討した。collagen type Iおよびtype IIIの分解酵素であるMMP-1はtrophoblastに局在を示したが、特にtrophoblastic cell columnに強い染色性を示し、脱落膜層、子宮筋層へと移行するに伴って染色性が低下する傾向が見られた。また、ヒト絨毛癌由来細胞株であるBeWo細胞の培養系においてもMMP-1が発現しており、培養上清中へMMP-1を分泌することが確認された。 つぎに、血小板凝集や平滑筋弛緩を介して血流保持に寄与している一酸化窒素(NO)合成酵素の妊娠子宮内組織における発現を検討した。eNOS, iNOS発現は、免疫染色法では羊膜、絨毛膜、脱落膜、胎盤に検出されたが、Western blot法ではいずれも主に胎盤にのみ検出された。定量RT-PCR法およびWestern blot法による検討では、胎盤のeNOS, iNOSのmRNA発現および蛋白発現は陣痛の有無により有意の変化を認めなかった。
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