研究課題/領域番号 |
13470353
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80275255)
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研究分担者 |
八木 重孝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手
尾谷 菜緒子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80343424)
梅咲 直彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20106339)
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キーワード | 抗癌剤耐性化 / 多剤耐性遺伝子 / 子宮癌 / 卵巣癌 |
研究概要 |
(1)抗癌剤耐性株の細胞生物学的性状解析:樹立抗癌剤耐性株の抗癌剤感受性を数値評価し、遺伝子発現プロファイリング結果と比較した。各種細胞性状とも照合した。また、アポトーシス制分子であるdeath-associated protein kinase (DAPK)の発現とプロモーターメチル化および抗癌剤感受性について、その関連性を世界で初めて実証した。現在はsiRNAを用いたDAPK knockdownによる抗癌剤感受性克服の遺伝子治療への応用を検討している。全ての結果について多くは現在論文発表準備中にある。 (2)抗癌剤耐性株のcDNA microarray法によるmRNA発現プロファイリング:樹立抗癌剤耐性株から代表的耐性株を選別して遺伝子発現プロファイリングを行い、共通遺伝子発現異常を検索した。特に癌遺伝子c-myc発現レベルが抗癌剤感受性に極めて関連性が高いことを証明した。現在論文発表準備中。 (3)RNA発現抑制法による抗癌剤感受性関連度測定と候補遺伝子の選別:siRNA法を応用して抗癌剤感受性克服と耐性関連遺伝子の確証を行った。予備実験に手間取ったが、siRNAによるSTAT3発現抑制の抗癌剤感受性や癌細胞増殖への関与が実証された(追加実験を加えてから論文発表予定)。 (4)抗癌剤耐性化現象に対する遺伝子治療に関する基礎的研究:子宮内膜癌は抗癌剤感受性が低いが、activin産生量が亢進していることから、このactivin産生亢進が抗癌剤感受性に及ぼす影響を検討した。その結果、子宮内膜癌細胞ではactivin自身は抗癌剤耐性に直接関わっていないが、activin産生亢進がTGF-betaによるアポトーシス誘導を受容体の競合的阻害により中和し、結果として癌細胞増殖を促進していることが判明した。目下、このactivin産生を抑制する薬剤を遺伝子治療薬の候補としてスクリーニングしている。
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