研究課題/領域番号 |
13470362
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
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研究分担者 |
戸川 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (70305762)
田村 慎司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
九鬼 清典 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (40169975)
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キーワード | 頭頸部癌 / 癌抑制遺伝子 / β-カテニン / カドヘリン / 転移 / 免疫組織染色 |
研究概要 |
本研究の目的ぱ、頭頚部扁平上皮癌について、癌抑制遺伝子APC(adenomatous polyposis coli)、細胞接着因子であるカドヘリン及びその裏打ち蛋白であるβカテニンの異常が腫瘍の発生、進行、転移にどのように関与しているか検討するとともに、血管新生因子と癌の浸潤・転移との関連を探ることである。すなわち、APC、βカテニン蛋白の発現の有無や発現様式を検討し、臨床的な予後、再発、臨床病期などとの関連を研究する。 本年の研究では、26例の頭頸部扁平上皮癌の治療前の腫瘍組織から手術、生検で採取した標本を用い、凍結組織、またはホルマリン固定組織で切片を作成する。抗βカテニン抗体(mouse IgG/Transduction Laboratories社)を用い、avidin-biotin complex(ABC)法によりAPC、βカテニン蛋白の発現の有無、発現様式を観察した。陽性コントロールとしては血管上皮を用い、陰性コントロールとしては、反応系から一次抗体を除いた免疫組織像を使用した。 結果 1.βカテニン染色像による分類 パターンにより次の2つの型に分類された。すなわち、membranous pattern(膜陽性型):細胞膜のみに弱い染色性が認められるが、核や細胞質は染色されない accumulated pattern(集積型):細胞核や細胞質に明瞭な陽性像が認められる 2.βカテニンの染色パターンと臨床像との関連 26例の頭頚部癌患者において、6例が集積型を示し、残りの20例は膜様性型を示した。 βカテニンの染色性と予後との関連を検索すると、集積型では5年生存率は0%であったが、膜様性型は50%であり、後者の方が予後良好であった。
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