研究課題/領域番号 |
13470372
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
堀口 正之 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70209295)
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研究分担者 |
三宅 養三 名古屋大学, 医学部, 教授 (30166136)
島田 佳明 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90261908)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 網膜電図 / 局所ERG / 多局所ERG / 多局所網膜電図 / 青錐体 / 色刺激 / 散乱光反応 |
研究概要 |
糖尿病網膜症は蛍光眼底法により精密に診断される。しかし、蛍光剤の静脈内投与を定期的に繰り返し行うことは困難である。網膜電図(ERG)が診断方法として可能性を有している。しかし、糖尿病網膜症は網膜全体に均一に起こるものではなく、局所から始まりその重症度も位置によって大きくことなる。したがって、全視野刺激ERGではその病態を十分に捉える事は出来ない。局所ERGが必要である。多局所網膜電図(mfERG)は複数の局所網膜から電気反応を記録できるため、従来の横斑ERGに比べて糖尿病網膜症の分析に適している。なぜなら、糖尿病網膜症は黄斑部外から始める事が多いからである。この特性を利用して網膜症を分析した。一般的に青錐体は赤緑錐体より脆弱であるとされるため、色刺激(silent substitution)を用いた青錐体mfERGを記録した。非常に反応が小さく容易ではなかったが、通常のmfERG(赤緑錐体)より情報が多く、出血や血管の異常が無いところからも振幅の異常や潜時の遅れが見られた。問題は白斑を伴う場合であった。白色病変は刺激光を反射し、周辺部網膜を刺激して散乱光反応を混入させることが本研究で分かり、糖尿病網膜症への局所ERGの応用自体に疑問がもたれた。その解決方法としては局所反応の二次核を用いる事である。二次株には散乱光によるERGは混入しないので白色病変を無視出来ることが判明した。しかし、青錐体mfERGの二次核の分析は振幅が小さく現時点では不可能であった。今後はさらに能率良く青錐体mfERGを記録する方法を開発して糖尿病の診断に役立てたい。
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