研究概要 |
日本人唇裂・口蓋裂の発症感受性遺伝子を同定する目的として、東北大学医学部倫理委員会の承認の基、東北大学医学部附属病院で遺伝子診断および遺伝子解析研究における遵守事項に則り、書面及び口頭で説明し、同意を得た160家系の検体を得た。 当初の予定では、白色人種唇裂・口蓋裂と相関が示唆されている遺伝子:MSX2,TGFA,TGFB2,TGFB3,RARAに対し、日本人の唇裂・口蓋裂患者の遺伝子解析を行う予定であったが、さらに他の候補遺伝子:GAD67,MTHFRを加え遺伝子解析を行った。その結果、GAD67において相関が示唆された。 いままでの研究で、日本人唇裂・口蓋裂原因遺伝子の解析手法が確立された。現在は、ダイオキシン関連遺伝子:AHR,ARNT,CYP1A1の遺伝子解析を行っている。すでにAHR,ARNT,CYP1A1遺伝子における、日本人で報告のある一塩基多型(SNP)に対し、唇裂・口蓋裂家系の検体を用いて遺伝子解析し、相関解析を行っている。さらにARNTに関しては、家族歴のある唇裂・口蓋裂患者の検体を用い、プロモーター部位とエクソン部位のSNPのスクリーニングを行った。その結果、日本人で未報告の2つのSNPを発見し、唇裂・口蓋裂家系の検体を用いて遺伝子解析し、相関解析を行った。今後はAHR, CYP1A1, AHRR, ARNT2などのダイオキシン関連遺伝子のスクリーニングと相関研究を、更に進めていく予定である。
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