研究課題/領域番号 |
13470381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
谷野 隆三郎 東海大学, 医学部, 教授 (50051595)
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研究分担者 |
猪口 貞樹 東海大学, 医学部, 教授 (60160008)
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 培養皮膚 / 血管誘導 / 血管新生 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
初年度は、培養皮膚が生着する過程で血管新生が必要不可欠であることを確認した。確認方法として、フィブリンとコラーゲンをscaffoldとした培養皮膚を作成。in vitroで血管増殖因子が分泌されていることを、ELISA RT-PCRで測定検討した。さらにこれらをin vivoで免疫不全マウス(BALB-cA/nu)に移植し確認した。ここでは基底部のラミニン、type1コラーゲンなどの沈着が多いなどの所見は認められなかった。平成14年度は、培養皮膚への遺伝子導入実験を開始した。前年度で、皮膚構成成分であるコラーゲンを用いた培養皮膚よりもフィブリンを基質とした培養皮膚の方が免疫不全マウス(BALB-cA/nu)への生着性が良く、表皮角化細胞の分化マーカーの検討でも正常表皮に近い分化を示していた。さらに、血管誘導因子であるVEGFに関わらずFGF-4に関しても、移植早期に高値を示し、移植早期(移植1週間以内)のこれら血管誘導因子の必要性を確認した。そこで、一過性のVEGF発現を目的とし、ベクターとしてアデノウイルス(VEGF)と、除放化プラスミッドDNA(FGF-4)を比較検討した。除放化プラスミッドDNA(FGF-4)による遺伝子導入実験ではゼラチンハイドロゲルを用い、in vitroでは良好にひとマクロファージを介して遺伝子が培養皮膚に導入される事を確認したが、in vivo移植実験でマーカー遺伝子の導入が確認されず、かつFGF導入培養皮膚の効果も確認できなかった。最終年度である平成15年度はウイルスによる遺伝子導入をさらに発展させるためにLentivirusを用いた実験を行った。遺伝子の発現性を検討するためヒト分離ケラチノサイトにGreen Fluorescent Protein(GFP)遺伝子を導入しin vitroにての遺伝子発現を観察した。またin vivoにおける遺伝子発現についてはE.coli_-galactosidase(LacZ)遺伝子導入ヒト分離ケラチノサイトをSCIDマウスに移植し、経過毎に移植片をβ-Gal染色し観察した。結果として、ヒト分離ケラチノサイトにGFP遺伝子を導入し蛍光顕微鏡にて観察したところ蛍光強度は細胞により強弱を認めた。この蛍光強度のバラツキは感染後23日に至っても持続していた。同細胞をフローサイトメーターにて測定したところ全細胞の80〜90%に蛍光発現を認めた。今後、同方法を用いて培養皮膚に目的遺伝子を導入し機能性を発現させる事を検討したい
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