研究課題/領域番号 |
13470382
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
江尻 貞一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40160361)
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研究分担者 |
池亀 美華 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282986)
網塚 憲生 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30242431)
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
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キーワード | 顎骨 / 骨粗鬆症 / エストロゲン欠乏 / マイクロCT / カニクイザル |
研究概要 |
顎骨における閉経後骨粗鬆症の病態解明岸目的として、雌カニクイザルに卵巣摘出術を施し、エストロゲン欠乏によって生じるサル顎骨の微細構造変化を既設のマイクロCTを用い観察記録するとともに、新規購入設置したマイクロCT用硬組織画像解析装置(LuzexF)にて解析した。 【方法】9歳以上の雌カニクイザル12匹を2群に分け、両側卵巣摘出術(OVX)、または偽手術(Sham)を施し、術後24週目に屠殺した。下顎骨を摘出後、マイクロCTにて、右下顎第一大臼歯遠心根を通る前頭断面を観察し、マイクロCT用硬組織画像解析装置(LuzexF,)を用い海綿骨および皮質骨の2次元的構造解析を行った。さらに顎骨の3次元構築像を作成し、骨構造の変化と皮質骨中の管腔構造の3次元的解析も試みた。 【結果】OVX群ではSham群に比べ、海綿骨量、骨梁幅、骨梁数ともに有意に低値を示す一方で、骨梁間隙は有意に高値を示していた。また骨梁数自体が少なく、とくに皮質骨と連続した骨梁が著明に減少していることが示された。この傾向は顎骨基底部において顕著であった。一方、皮質骨幅や皮質骨量には両群間に有意差は認められなかったが、OVX群の管腔量はSham群よりも有意に高値であつた。OVXサル顎骨では、海綿骨量および骨梁の連結性の減少が認められるとともに、皮質骨中を近遠心方向に走る血管腔が多数形成されていた。 【総括】卵巣摘出したサル顎骨では、エストロゲン欠乏により、海綿骨量が減少するとともに皮質骨中を近遠心方向に走る管腔が拡大する事によつて粗鬆化が生じる事が明らかとなった。
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