研究概要 |
ヒト抜去歯から分離した健常歯根膜細胞を10%牛胎児血清添加α-MEM培地にて初代培養した。80%コンフルエント時にエムドゲイン(0,1,5,50μg/mL)を添加し、0.5、1、3、6、12、24、72時間後に細胞およびその培養上清を回収した。細胞からTrizolを用いて全RNAを分離し、さらにmRNAを精製したのち、oligo[dT]24プライマーを用いて蛍光色素(Cy3およびCy5)存在下でRT反応を行い、蛍光標識cDNAを作成した。この時、エムドゲインを添加していない試料から作製したcDNAはCy3で、またエムドゲイン(1,5,50μg/mL)を添加した試料をCy5にて標識を行った。各標識cDNAを濃度調整後、エムドゲインを添加/非添加した試料を等量ずつ既製のヒトマイクロアレイ(1,100遺伝子)に、一昼夜ハイブリダイズさせた。洗浄後蛍光スキャナーにてアレイ上の各スポットの蛍光強度を測定したのち、遺伝子発現解析ソフト(GeneSpring)を用いてmRNA発現レベルの変化を検討した。その結果、様々な細胞増殖因子,サイトカインやこれらの受容体および転写因子が各時間においてそれぞれ特徴的な遺伝子発現の変動が認められた。現在、各遺伝子のmRNAレベルの変動をRT-PCR,リアルタイムPCR等で確認している。また確認出来たものに関してタンパク発現レベルあるいは生物活性で確認可能なものは、保存しておいた細胞破砕液および細胞培養上清を用いてウエスタンブロット等で確認している。
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