研究課題/領域番号 |
13470397
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阪本 真弥 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90157686)
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研究分担者 |
駒井 伸也 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90234864)
篠田 壽 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80014025)
森 士朗 東北大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80230069)
福本 学 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60156809)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
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キーワード | Osteoporosis / Periodontal disease / Mandible / X-ray CT / Radiography / Ovarectomy |
研究概要 |
骨粗鬆症は、歯周病、顎関節症、インプラント治療の予後、義歯のリスクなどと深く関わる疾患として注目されているが、これらの疾患は環境などの2次的影響が大きく、骨粗鬆症が歯槽骨や顎関節等に与える影響についての動物実験を中心とした基礎的なデータはほとんどない。そこで骨粗鬆症が顎骨に与える影響をエックス線学的、骨形態学的に明らかにし、骨粗鬆が顎骨に与える影響の基礎的データを得る事を目的として、卵巣摘出サルの顎骨・歯周組織について画像解析を行った。研究試料は、卵巣摘出術後2年経過した卵巣摘出群9体および、開腹術のみ施され2年経過したコントロール群9体で、約10歳前後の雌のカニクイザルの頭部標本である。研究方法はこれら頭部標本の頭部X線写真、CT写真を撮影し、形態学的検討および骨塩量の測定をおこなった。以下にこれまでの研究成果を示す。 1.頭部X線写真、CT写真では、骨粗鬆症サル群とコントロール群で、皮質骨の厚みや下顎頭の形態などに骨形態学的差異は認められなかった。 2.頭部X線規格写真側面像における顎骨の部位別骨塩量の測定では、卵巣摘出群はコントロール群に比べ、下顎小臼歯根尖、下顎大臼歯根尖、下顎角部で有意に低下していた。 3.顎骨エックス線CT写真でも、すべての部位で卵巣摘出群ではコントロール群に比べ低い傾向を示した。また、測定部位により、両群間において変化の程度の差がみられた。 以上の結果より、卵巣摘出により骨塩量の低下が顎骨にもあらわれ、顎骨の部位により骨塩量の低下の程度に違いがあることが明かとなった。
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